水曜日, 7月 22, 0021

芥川龍之介

ある日の暮れの方のことである。一人の下人が古書店の前で
雨やみを待っていた。広い軒下にはこの男の他に誰も居ない。
ただ、ところどころ丹塗りの剥げた壁に、キリギリスが一匹止まっている。

手持ち無沙汰だった男はおもむろに、しようがなくといった
体裁で、店の中に入り、一冊の古書を手にした、、、、、、。

「日本の文学 芥川龍之介」
編集委員 谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫

中学生の時に習った時には、
まったくもってして、興味が湧かなかった日本文学。
今読むとどうであろう。
暗い闇に包まれた情景、テンポの良い構成と苦悩する主人公
理性と感情が渦巻き、36歳という若さで
この世を去った芥川本人の葛藤が
どの作品にも息苦しいほど溢れている。

べっくらこいただ。
今の小説には無い迫力がある。


7月24日は芥川龍之介の命日である。

R.I.P.